2018年夏、長年に渡り国内でアニメーション研究を牽引してきた渡辺泰を顕彰する展覧会が京都で開催された。会場では渡辺手作りの戦後アニメ関連記事スクラップ帳、戦後発足したディズニー・ファンクラブの会誌「ディズニー・ジャーナル」などが展示され、戦中戦後の国内のアニメーション受容を渡辺の膨大なコレクションから垣間見ることが出来る内容であった。この度名古屋で、本展覧会を振り返り、氏の貴重なコレクションの一端を検証し紹介する。
日時 2020年2月15日(土)開場/14:30開演15:00-終了17:00予定
会場 名古屋市中村区則武1-13-9 チサンマンション第3名古屋ビル 1106号室
名古屋駅JRコンコース太閤口より徒歩4分
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協力 渡辺泰、安井喜雄(神戸映画資料館館長)
主催 日本映像学会ショートフィルム研究会
参加無料
日本映像学会研究活動助成金対象研究| 戦後、国内最初期のアニメーション愛好家たちの活動について
森下豊美渡辺泰展で展示した資料から、戦後発足したディズニー・ファンクラブ会員向け会誌「ディズニー・ジャーナル」、およびその会員たちによる同人誌「sleepy symphony」を中心に、戦後最初期の国内アニメーション愛好家たちの活動の一端を検証する。
| プロフィール 2012年東京藝術大学大学院アニメーション専攻修了。2018年京都精華大学大学院単位取得満期退学。2017年「にっぽんアニメーションことはじめ~ 「動く漫画」のパイオニアたち~展」、2018年「渡辺泰展」企画など、アニメーションの制作、研究、展覧会企画など行う。関西大学、甲南大学ほか非常勤講師。
| 日本のアニメーションの戦時下・戦後
佐野明子今回上映する『マー坊の落下傘部隊』が制作された戦時下の背景をまず概観する。終戦後、日本の人々に歓迎された『白雪姫』ほかディズニー長編が、いかに日本のアニメーションや映像文化に影響を与えたか、渡辺泰コレクション資料を手がかりに考察する。
| プロフィール 2007年 大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。2009年 桃山学院大学国際教養学部に着任(〜現在)2015年 国際日本文化研究センター共同研究員(〜現在)単著論文「『桃太郎 海の神兵』論:国策アニメーションの映像実験」『アニメーション研究』第20巻第1号、2019年。共著書『動員のメディアミックス:<創作する大衆>の戦時下・戦後』大塚英志編、思文閣出版、2017年など。
上映作品 『マー坊の落下傘部隊』(1943年、12分)製作 佐藤吟次郎 演出 千葉洋路
マー坊は科学研究所で「新式の落下傘兵器」(爆弾落下傘、超強電波放射落下傘、上昇兼用落下傘、装甲機銃座急構築落下傘)を開発する。それらを日本軍が使って敵軍を倒す。