3/8-3/10に、「東京アニメアワードフェスティバル2019」の長編・短編コンペなど観賞しました~。上映鑑賞で印象に残った作品の感想です。
長編コンペティション
@新文芸座
『アナザーデイオブライフ』(ラウル・デ・ラ・フエンテ、ダミアン・ネノウ/2018/86:00/ポーランド)
実在ジャーナリスト・カプシンスキが、紛争地帯のアンゴラを取材した史実をもとにした作品。1975年当時と現在の取材映像である実写と、アニメーション(3DCG+モーションキャプチャーを2D化した線画風)の混成映像だった。実写パートで内容の真実性を増し、アニメーションパートでストーリーを補足しわかりやすく伝えていた。WW2でナチスの支配を受けた自国の視点から、紛争地帯での弱者の立場を共通の目線として捉えていた。
『捨て犬』(オ・ソンユン、イ・チェンベク/2018/101:50/韓国)
ペット遺棄の問題を中心に、限界集落と開発、南北問題にも触れた作品だった。捨てられた犬たちが主人公で、『わんわん物語』的なシーンもある。社会的テーマを正面から扱いつつ、動物がしゃべるファンタジー設定でエンターテインメント性があった。主人公の声優をKpopのexoメンバーが務めたため、女性ファンが多数来場した。
短編コンペティション
@新文芸座
『黄昏のクインテット』(ジエ・ウォン/2018/07:33/中国)
猫の擬人化がおもしろかった。エンディングは、死に触れるストーリーでよくあるパターンを避けた感がある。ペットから飼い主への感謝は人間中心主義でご都合主義な視点なので、まったく共感できなかった。
『リランズ-再上映-』(ロスト/2018/14:15/オランダ)
主人公キャラクターが過去に囚われながら記憶の部屋を彷徨う。浅い眠りのふちで夢を見ているような映像。
『金魚』(フィッシュ・ワン/2018/17:06/台湾)
マンガ的なキャラクターが、子供たちの夢を奪う金魚と戦うストーリー。市民VS公権力という印象でとても政治的に感じたので、最初、中国の作品かと思い驚いた。
『セイウチじいさん』(ルクレース・アンドレア/2017/14:45/フランス)
祖父の散骨をしに海に行く一家。それぞればらばらに過ごし、不機嫌で軽薄な様子が一転するエンディングまでまとまっていた。
『沁み』(ドナート・サンソネ/2018/04:40/フランス)
3DCGとグワッシュでの描画を組み合わせた解体新書のような作品。絵を筆でなぞると、人体の内部が現れたりするなど、筆のストロークで、どんどん描画が変化していく。観あきない、おもしろい映像だった。
『偉大なる鉛筆たち』(アラン・ビエット/2018/10:45/フランス)
アジアシーグラフ2019でも上映されていた。水彩画で描いたさまざまな道具をコマ撮りしている。見ごたえある物量で、物作り感あふれる映像だった。
『BANANA FISH』特別上映(TVオンエア版)
3/10(日)16:00-17:40 @シネ・リーブル池袋
1-4話を上映した。大きい画面で観ると、やはり印象が違う。全話を再び観たくなった。