私たちにとっては空気のような、当たり前のようにそこにある「ポップカルチャー」。だけど、それはいったいどんなカタチをしたものなんだろう? それは私たちの想像力のありかたにどんな影響を及ぼすのだろう? そんな疑問を抱いたとき、実はあなたは「研究」の扉の向こう側にいるのです。大須ポップカルチャーゼミ――アニメやマンガ、ゲームや音楽について考え、発表し、みんなで意見交換しませんか。
イラスト:神無森カヱデ日時 2018年2月4日(日)15時~3時間程度
料金 600円(1ドリンク付)
※イベント終了後に交流会(参加費300円)もあります~
定員 20名 ご予約はこちら!
企画 ポップカルチャー・ゼミ実行委員会
イラスト 神無森カヱデ
協力 青山太郎
スケジュール14:30 開場
15:00 開演/冒頭挨拶、各プレゼンテーション(2名/各40分)
16:20 休憩(10分)
16:30 鼎談(西原麻里様、発表者2名/60~90分)
※質疑応答
17:30-18:00頃終了
※交流会(毎回、参加費(来場者のみ)300円の交流会を行っています)
プレゼン①『Jの総て』における相関図消費の遊戯性に関する考察―性の多様性の理解の手がかりとしてーパネラー:佐藤紀子漫画『Jの総て』を取り上げ、そこに読み解れる相関図の多様性という観点から同作の特性を分析する。その上でBLを読むという行為にともなう遊戯性と現実の性の多様性への理解との関わりの可能性についても検討する。
プレゼン②中国『刀剣乱舞』同人創作から考える<BL的想像力>の可能性パネラー:孫ミンキョウ刀剣擬人化キャラクターが登場するゲーム『刀剣乱舞』、それは翻訳されないまま中国でブームを起こした異色作であり、数多くの同人作品が見られる人気作でもある。中国の同人作者はどのように当作品のキャラクターたちの<関係性>を表現・解釈しているのか?異なる文化背景を跨ぐ本作の同人作品の間にどのような同異があるのか?本発表は日中『刀剣乱舞』同人作品を比較し<BL的想像力>の多文化的な可能性を考えたい。
鼎談:“BL的想像力”の開花−−「原作」にたいする受け手のBL的解釈のありようとその社会的効能パネラー:西原麻里、孫ミンキョウ、佐藤紀子“BL的想像力”。それは、受け手が「原作」にある要素を読み解き、要素と要素をかけあわせて新たな〈関係性〉を構築し、さまざまな絆を描く物語を生み出す、楽しい思考実験である。BL的想像力を働かせることは、物語そのものを妄想して味わう楽しみであると同時に、リアルな社会の価値観や仕組みへと開かれていく可能性ももつ。それは、現実社会をより心地よくすごすための「戦術」かもしれない。そこで今回は、「原作」をBL的に解釈することの意義や社会的効能を話しあってみたい。
出演者プロフィール佐藤紀子(名古屋文理大学)2014年名古屋文理大学入学。大学では、主にプログラミングを勉強する。卒業研究にあたっては、担当指導員の「好きなことを卒論にして」という言葉を真に受けて、自分の好きな作家である中村明日美子を取り上げることに決定した結果、BL研究を行うこととなる。
孫ミンキョウ(所属:名古屋大学大学院人文学研究科ジェンダー学講座D1)北京外国語大学日本語学部出身。2014年から名古屋大学へ留学、武器擬人化美少女を中心とし、マンガ・アニメ・ゲームにおけるキャラクターの表現論を研究している。本人は基本的に腐女子だが、(研究のせいで?)BL・ユリ両方に夢中している。
西原麻里(愛知学泉大学家政学部家政学科家政学専攻 講師)2011年同志社大学大学院社会学研究科メディア学専攻博士後期課程退学、博士(メディア学)。メディア研究とジェンダーの視点から、やおい/BL、プリンセス、アイドルなどを題材に、現代社会における女性向けポピュラー文化を批判的に検討しその意義を考察する。主著に『マンガ文化 55のキーワード』(竹内オサムと共編著、ミネルヴァ書房、2016年)、「マンガの/で、ジェンダーを考えること」『マンガ研究13講』(小山昌宏ほか編著、水声社、2016年)、『ポスト〈カワイイ〉の文化社会学 女子たちの「新たな楽しみ」を探る』(吉光正絵・池田太臣と共編著、ミネルヴァ書房、2017年)。