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4/29(金)- カンカク思考ジッケン -作家・清家美佳のしごと-

A Place Where There Are Moths のコピー
人の内面と周囲との関係性を観測し、繊細に描き出す清家美佳の作品。思考や感覚の軌跡ともいえるその世界観は、鑑賞者をイメージの遊びへといざないます。

日常のなか、ふと気づく感覚の違和感。非日常。心身の誤差。
メタファーにより、客観視される自己の内面や他者との関係性。
あたまの遊び。

清家氏の東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修士課程1年次制作作品を含めた、珠玉の6作品をぜひご覧ください。

日時 4/29(金)19:30、4/30(土)・5/1(日)15:00/19:00、5/2(月)19:30
料金 800円(1ドリンク付)
定員 15名 ご予約はこちら!


作品情報(6作品/38分)

「黒い猫(A Black Cat)」(2015年/2:55)
A_BlackCat のコピー
彼女はその腕に抱く猫をなで続けている。だが猫はその手から逃れようと抗っている。腕の中の猫は本当に猫なのだろうか?要素を出来るだけ削ぎながら、人間の内のコントロール出来ない部分を猫として表現しようと試みた作品。修士課程の一年次制作作品。

「考える時間」(2012年/3:30)
KangaeruJikan のコピー
人間が考え事をしている姿を描きいた作品。手描きにチャレンジし、どのように色を付けるか模索するために制作した。

「蛾鑑(Deep in Reflection)」(2012年/5:40)
DeepInReflection のコピー
自身を繰り返し見つめて思考する“内省”を描いた作品。作中に登場する要素を厳選し、水面に映った鏡像をたどって下層に降りていく様子のみでの構成を試みている。

「お向かいさん(Face to Face)」(2007年/8:42)
FaceToFace のコピー
蝶や植物などのモチーフを用いて会話をしながらお互いの関係を育てていく様子を描いた作品。発した言葉が相手にどのように届き、どのように変化して返ってくるのだろうと考えた事から着想している。

「二層の葛(Dialogue Between Two)」(2004年/7:54)
Dialogue Between Two のコピー
会話の行き違いを描こうと試みた作品。男が種を女の足下に落とし、女が種を魚に変えて男に返す。彼等はそれぞれの言葉(魚や蟻)を使って会話をし、目の前の景色を少しずつ変えて行く。最後には互いに場所を変えて、また誰かとの新たな関係を模索する。

「蛾のいるところ(A Place Where There Are Moths)」(2001年/5:24)
A Place Where There Are Moths のコピー
彼女は蛾を増殖させ、その度に部屋の位置は変化するが、増殖し続ける蛾がうっとうしくなり、自分の意志で蛾を消してしまう。蛾がすべて消えると部屋は一階まで下がり、彼女は地面や木のある風景を目にする。我欲を蛾に見立て、蛾が増えるごとに変化する登場人物の立ち位置や心情を表現する事を試みている。

清家氏のビデオメッセージも上映予定です

清家美佳プロフィール
1975年に大阪に生まれる。『蛾のいるところ』(2001)を期にアニメーション作品の制作・出品を繰り返すようになる。社会人を経てから2014年に大学院に入学し2016年3月に修士課程を無事修了。