「キユミとサユル」 10周年アニバーサリーイヤー特別上映会 4部作一挙上映!杉田愉監督のライフワーク「キユミとサユル」シリーズの四部作が完成し、10年のアニバーサリーイヤーを迎えました。これを記念して4部作を一挙上映します。20歳になるまでの少女たちの美しさをご覧ください。
上映スケジュール 5/13(金)~15日(日)
5/13(金)、15(日)19:30
14(土)15:00/17:00/19:00
※19時の回上映後、舞台挨拶予定あり 杉田監督/品田涼花さん※※舞台挨拶のない回は海外映画祭の予告編特集を上映します(約15分)料金 1000円(ドリンクなし)
ご予約はこちら。上映作品(4作品計77分)
キユミの肘 サユルの膝Sayuru And Kiyumi (2006年 / 5分)

監督・脚本:杉田 愉 出演:品田涼花、丸山桃子
製作:フィルム・グラン・フェッテ
朝早い冬の駅舎。眼帯姿のキユミが一緒に登校しようと待っていても、サユルの姿は今日もなかった。小学生のキユミとサユルは大の仲良し。数日前の学校帰り、二人が賑やかに雪合戦をしてる最中、最初に初潮をむかえたのはキユミだった。
暫く遅れて駅舎から現れるサユル。ずっとホームで立ち尽くしていたキユミ。付かず離れず微妙な距離の二人の目の前を、静かに打ち寄せる波の如く青い電車がホームにゆっくりと到着して通過していく。
そんな風に、いつかサユルにも初潮はやってくる。そして二人は血のように真っ赤な「苺シロップ」を雪野原に撒いては楽しそうにスプーンでつつき、カキ氷のように雪を食べる。
キユミの肘とサユルの膝がそっくりなのは、まだ誰も知らない。
2006年 第26回ハワイ国際映画祭ワールド・プレミア上映作品
2007年 第10回上海国際映画祭正式招待作品キユミの詩集 サユルの刺繍Kiyumi's Poetry And Sayuru's Embroidery (2010年 / 30分)

監督・脚本:杉田 愉 出演:丸山桃子、品田涼花
製作:フィルム・グラン・フェッテ
キユミにとって詩を書く事は「枯れた枝に落ち葉を付けるようなもの」らしい。
「決して水はやらずに、花が咲くのも期待せず、本来あった場所にそっと戻してあげる」ように言葉を置くのだそうだ。
キユミがひとつ詩を書くたびに友人のサユルは虹色の詩集ノートを包むカバーに葉の刺繍を施している。
思春期特有の繊細且つ複雑な心のありようと圧倒的な才能の残酷さを描いた物語。
2011年 第40回モントリオール・ヌーヴォ国際映画祭正式招待作品
2011年 第39回ウエスカ国際映画祭正式招待作品予告編は
こちら。
キユミの森 サユルの澱New Deal (2013年 / 16分)

監督・脚本:杉田 愉 出演:品田涼花、丸山桃子
製作:フィルム・グラン・フェッテ
日本に伝わる祖先の霊を祀る一連の行事、御盆。その報恩供養の内容は各地によって様々な様式が存在する。
キユミとサユルの暮らす地方では「お墓に眠る祖先や家族の霊を迎えに行き自らの背中におんぶをして迎え火を焚いた家まで連れて帰る」といった風習が今も続いている。
家族のように日々を過ごした愛犬の墓前に献花をし冥福を祈るサユルは、家には帰らず霊をおんぶしたまま神妙な面持ちで奥深い森の中へと消えて行く。
2013年 第 8回ジョグジャ・ネットパック・アジア映画祭ワールド・プレミア上映作品
2014年 第55回ブルノ国際短編映画祭正式招待作品予告編は
こちら。
キユミの桃子 サユルの涼花Opus (2015年 / 26分) 

監督:杉田 愉 脚本:丸山桃子、品田涼花、杉田 愉
出演:丸山桃子、品田涼花
子供の頃から仲良く一緒に出演し続けている映画「キユミ&サユル」シリーズ春篇の撮影当日。
春のおだやかな陽気に包まれてのお花見シーンと聞かされ楽しみにロケ地にやって来た桃子と涼花。しかし桜は全く咲いておらず寒風が吹き荒ぶなか不平不満を漏らすも桜餅や三色団子を齧りながら演技を開始する。
妊娠3か月目でつわりがひどく船酔いがずっと続いてる気分という設定のキユミだが「豪華客船に乗って旅をしてる感じ」と楽観的に考えサユルの分のお菓子まで食べるほど食欲旺盛。
撮影が休憩に入ると実際に妊娠3か月の涼花がお腹の中にいる赤ちゃんの心拍数の話や母になる不安や怖れを切実に桃子に語りだす。
2015年 第20回釜山国際映画祭正式招待作品
2015年 第 2回京都国際映画祭ジャパン・プレミア上映作品【プロフィール】
杉田 愉監督
1974年新潟県柏崎市生まれ。中央大学文学部哲学科卒。
2003年、第3回伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞にて『貝ノ耳』が大賞を受賞。
同年、第9回函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞にて『空の私と私の空』が準グランプリを受賞。
初監督作品『貝ノ耳』(2004) は、審査委員長のアンジェイ・ズラウスキー監督から最優秀剣士賞を授与されたポーランドでの海外初上映を皮切りに16か国50の国際映画祭で公式上映されグランプリを含む10冠を達成。
第2作目となった『キユミの肘 サユルの膝』(2006)はハワイ国際映画祭にて世界初上映され、リスボン国際インディペンデント映画祭では日本人初のポルトガル国営放送賞(RTPオンダ・クルタ賞)を受賞し、上海国際映画祭から正式招待を受ける。
続く『花に無理をさせる』(2009) がモナコ国際映画祭で出演者の丸山桃子が最優秀助演女優賞を受賞。
第85回キネマ旬報ベストテン文化映画部門に選出された『キユミの詩集 サユルの刺繍』(2010) はモントリオール・ヌーヴォ国際映画祭やウエスカ国際映画祭など
アカデミー賞(映画芸術科学アカデミー)公認映画祭で招待上映され、トレラベーガ国際短編映画祭でエステラ・ドラダ金賞を受賞するなど30か国で15冠に輝く。
最新作『キユミの桃子 サユルの涼花』(2015) は釜山国際映画祭招待作品として華々しく公式上映を飾った。
(右)キユミ役-丸山桃子-まるやまももこ、(左)サユル役-品田涼花-しなだりょうか丸山桃子(キユミ役)1994年新潟県柏崎市生まれ。『貝ノ耳』のヴァイオリン教室に通う生徒役オーディションで選出される。
続く『キユミの肘 サユルの膝』では主役のひとりキユミ役に抜擢。
『花に無理をさせる』でも多数の候補者の中から出演の座を見事に射止め、凍てつく寒さでも軽やかで優雅な踊りを披露するなど見事に好演し、モナコ国際映画祭では日本人初となる最優秀助演女優賞の栄誉に輝く。
フジテレビ「なかよしテレビ」で紹介され、NST新春恒例特番「Dreaming なでしこ 夢を紡ぐために…」にも出演。落ち着き払った佇まいに潜む意志の強さが魅力的な若き女優。
品田涼花(サユル役)1995年新潟県柏崎市生まれ。映画生誕100周年に誕生し、『貝ノ耳』の貝殻拾い少女役でデビュー。続く『キユミの肘 サユルの膝』では主役のひとりサユル役に抜擢。
TAMA NEW WAVE女優賞にノミネートを果たした『キユミの詩集 サユルの刺繍』に続いて挑んだ『キユミの森 サユルの澱』では、森を彷徨いながら心に淀む澱を台詞ではなく自らの身体のみによって吐き出すように表現し続け、監督をして「今後に撮る自分の全ての作品に出演してほしい」と言わしめた。スクリーンから観客を見つめ返すような力強い眼差しが印象的な若き女優。