
3/21(土)渡辺護自伝的ドキュメンタリー第一部「糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護」のトークがありました。延々と語る渡辺護監督がデビュー作「あばずれ」を作るまでを中心としていますが、ないと思われていた「あばずれ」のプリントが渡辺護監督の死後見つかり、それを見た井川監督と北岡さんが監督の語る内容と違うことにびっくりしたお話が興味深かったです。監督は3度もリメイクを試みているくらい思い入れがあった作品なので、自分でそう撮ったと思われていても不思議はないですね。そのほか、現場でなく普段の渡辺監督しか知らない北岡さんも驚いた現場での渡辺監督の監督っぷりですが、あれは俳優さんにはキツいですね~。でも現場を離れると優しいいつもの監督らしいです。また映画が本当に大好きで、どんな映画でも見ていたというエピソードも面白かったです。ジャンルを選ばず積極的に見ていた監督が、知られたく作品は見たと言わなかったと選別していたのもかわいいですね。女性だらけの映画館で一人見ていた渡辺監督の姿を思うとうれしくなります。
続いてCプロ「紅壺」と自作解説「新人女優を撮る」の2作品の上映とトークもありました。「紅壺」はシナリオにそって編集しなおした改訂版での上映です。今でいう枕営業でトップモデルを目指す少女の話ですが、「何ももたないものが成功するには、他人を利用するしかないんだ。僕を利用してくれ」と男に言わせるロコちゃんですが、渡辺監督が戦後の米兵への日本女性の変貌ぶりに驚いたという第一部で語られたものがそう言わせてるのかなと思いました。少女を描く渡辺監督にはそういうことも影響しているのでは、と語られました。「紅壺」の真山ひとみを筆頭に東てるみ、可愛かずみ、美保純などの新人女優をそれぞれどう見ていたかなど、それぞれの女優さんの話もからめて楽しく伺うことができました。真山さんの現場の渡辺監督の姿を見たかったですね。「紅壺」「自作を語る」と続けてみると、再度「紅壺」を見直したくなります。無限ループです。
そして本日22日は15:00から「渡辺護自伝的ドキュメンタリー第二部つわものどもが遊びのあと」の上映+レクチャーがありますので、ぜひお越し下さい。ピンク映画史ともいえる貴重なお話ですよ。もちろん名古屋にご縁のある若松孝二監督も登場します。
18:30からはトークはありませんが、「(秘)湯の町 夜のひとで」+自作解説 エロ事師を撮る」の上映です。「色道四十八手 たからぶね」の春画パートの二人の元ネタとなった夫婦の切ない物語です。ぜひご覧くださいね。お待ちしております。
作品紹介など詳細は
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