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2020年2/15(土)「アニメーション研究を牽引してきた功労者 渡辺泰 〜その研究活動と功績〜」展を振り返って

2018年夏、長年に渡り国内でアニメーション研究を牽引してきた渡辺泰を顕彰する展覧会が京都で開催された。会場では渡辺手作りの戦後アニメ関連記事スクラップ帳、戦後発足したディズニー・ファンクラブの会誌「ディズニー・ジャーナル」などが展示され、戦中戦後の国内のアニメーション受容を渡辺の膨大なコレクションから垣間見ることが出来る内容であった。この度名古屋で、本展覧会を振り返り、氏の貴重なコレクションの一端を...

2020年2/1(土)「アイドルMVのメディア論」開催します

私たちがアイドル文化を享受する際の重要なメディアのひとつが、ミュージック・ビデオ(MV)であろう。アイドルMVは、プロモーション(販促)を目的とした、CDの付属品などではもはやない。AKB 48『恋するフォーチュンクッキー』(2014年)のMVのように、社会現象を引き起こしたり、乃木坂46や欅坂46のMVのように、才能ある映像クリエイターたちの格好の表現の場となってもいる。本イベントでは、このアイドルMVをメディア環境史の...

『天気の子』の感想(ネタバレあり)です~

世界と個人-環境問題と恋愛ドラマのあいだ『天気の子』新海誠監督/2019/114分新海誠は、再会というテーマをループし続ける。男女2人が困難を共に乗り越えたあと、時間を置いて再会する。そこに向けていくつかのハードルを設けることで、観客の情動は高まる。メイン2人の再会が、最高に感動的になるよう物語が構成されている。以前の作品は、人違いやすれ違いで再会は機能不全に陥った。近年はそれが解消され、主人公たちはエンディ...

TAAF2019感想:シンポジウム①

シンポジウム①「アニメーションのデジタル化に伴うアニメーターの将来像を探る」司会 竹内孝次(FD)登壇者 井上俊之(スーパーアニメーター)、押山清高(アニメーター、監督)、りょーちも(アニメーター、監督)日時 3/10(日)10:00-13:00 会場 豊島区役所5F会議室2D手描きと3DCGを含む商業アニメーション制作について、現状とその原因、これからの課題を検証するトークだった。登壇者のアニメーター三方は異なる世代のため、時代...

TAAF2019感想:上映

3/8-3/10に、「東京アニメアワードフェスティバル2019」の長編・短編コンペなど観賞しました~。上映鑑賞で印象に残った作品の感想です。長編コンペティション@新文芸座『アナザーデイオブライフ』(ラウル・デ・ラ・フエンテ、ダミアン・ネノウ/2018/86:00/ポーランド)実在ジャーナリスト・カプシンスキが、紛争地帯のアンゴラを取材した史実をもとにした作品。1975年当時と現在の取材映像である実写と、アニメーション(3DCG+モー...

長野櫻子個展『rope jumping ~back』トーク・レポート

先日行われた、長野櫻子さんの個展『rope jumping ~back』でのトークをレポートします~。私も聞き手として登壇しました。日時 2019年3月2日(土)18:30-20:30会場 N-Mark5G(名古屋市中川区)司会 伊藤仁美作家 長野櫻子聞き手 林緑子はじめにフィルムからテレビ、そして現在のデジタル化という映像技術の更新や、インターネット敷設による情報流通などの環境変化のなか、映像系の作家はそのときどきで可能な表現を行ってきた。...

Nagoya Digital Animation Festival 2019の感想~

2019/2/24(日)13:00-18:00 @ナディアパークデザインホール(3F) 名古屋の産学官イベントとして、新しく始まったDAF2019のスクリーニングに参加しました~。スケジュールは下記です。時間が押したので18時以降の授賞式は見ていません。13:00-15:00 第一部 最終ノミネート作品上映+持込作品の講評会15:00-16:00 第二部 名古屋発の商業アニメ作品+会社紹介16:00-18:00 第三部 招待作品上映18:00- 授賞式第一部コンペ15作品のう...

映画『未来を花束にして』感想

曇りと雨のはっきりしないお天気が続きそうですね~。年末に、『未来を花束にして』(サラ・ガヴロン/2017年/106分)の感想を書いたのでUPします~。本作は、周縁化された人々の権利を巡る活動に注目した作品だ。具体的には、20世紀初頭のイギリスで、階級差と男性中心主義が当たり前の社会において、女性が参政権のために政治活動を行った史実を軸にしている。洗濯工場で生まれ育った労働階級の女性モードを中心に据え、妊娠や子育...

広島国際アニメーションフェスティバル2018のメモと感想

ミドリンゴです~~。8/23-27開催の広島国際アニメーションフェスティバルに観客参加してきました~。今回はエストニア特集で、エストニアの古今さまざまな技法やテーマの作品をたくさん観賞できましたよ!好きな監督の特集もあり、良かったです♡パーティは今回は最初と最後のみ参加で、人を紹介していただいたりで楽しかったです。また今回のお土産ベストはレモスコです。要はすっぱいタバスコです。ピザを注文したら出てきて、か...

ネタバレ感想 『さよならの朝に約束の花をかざろう』 

本作は、脚本家・岡田磨里による初監督・劇場版アニメ作品である。彼女が、長年温めてきた物語の、満を持しての作品化だ。制作は『凪のあすから』のP.A.WORKS。繊細で丁寧なストーリーとキャラクター、美しい映像によって、ファンタジーの世界観を借りつつ、女性の生き様を描いている。それは、家族、恋愛、友情、人の誕生や死など、多くの現代人にとって身近で大切なテーマを扱った映画となった。筆者は、109シネマズ名古屋にて、...