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6/22(金)~ 『ラストラブレター』

『ラストラブレター』
第11回田辺・弁慶映画祭で映画.com賞とキネマイスター賞をW受賞した『ラストラブレター』、東京、大阪での受賞凱旋上映に引き続き、名古屋でもお披露目いたします。レトロフューチャーで切ない世界をどうぞ。最新の新作短編も同時上映いたします。

上映スケジュール 2018年6月22日(金)~24(日)
6/22(金) 19:30 ※森田博之監督、ミネオショウさん、中神円さん来場予定
6/23(土) 15:00 ※森田博之監督、ミネオショウさん、影山祐子さん、中神円さん来場予定
6/23(土) 19:00 ※森田博之監督、影山祐子さん来場予定
6/24(日) 15:00、19:00 ※>※森田博之監督、影山祐子さん来場予定

料金 1100円

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上映作品(2作品73分)
『ラストラブレター』(2016年/58分)
監督・脚本・編集:森田博之 出演:ミネオショウ、影山祐子、多田亜由美 製作・studio so-lars.

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今ではないいつかの未来。ここではないどこかの街。突然の事故で妻の晶子を失った隆。 2年が過ぎても、未だに大きい喪失感を抱える隆は、晶子をヒューマノイドとして蘇らせることを決意する。
第11回田辺・弁慶映画祭で映画.com賞、キネマイスター賞W受賞
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭、札幌国際短編映画祭ノミネート
公式サイトはこちら
©️studio so-lars.

併映『世界で一番最後の魔法』(2018年/15分)
監督・脚本・編集:森田博之 出演:中神円、ミネオショウ 製作:rhapsodie film

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SNSで“魔法使い”と名乗る女は、“筑前煮”と名乗る男と定食屋で出会う。男は本当の魔法使いを探していた。女には東京に来たある目的があった。
第5回岩槻映画祭 短編コンペ部門入選

森田博之監督プロフィール
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第11回田辺・弁慶映画祭」キネマイスター賞 & 映画.com賞受賞作品『ラストラブレター』監督。1984年埼玉県出身。埼玉県立芸術総合高校在学中に映画制作を始める。日本映画学校卒業後、演出部、制作部として劇場用映画に参加。これまで監督した自主制作映画は水戸短編映像祭、札幌国際短編映画祭、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭などで上映。『カラガラ』(2012)が第6回 田辺・弁慶映画祭に入選。新作短編「世界で一番最後の魔法」が第5回岩槻映画祭入選。テアトル新宿でも上映される。


6/17(日) 映画コンパ!略して映コン!ホラー映画編 ホラー的ボリシェヴィキ!

映画コンパ!略して映コン! ホラー映画編
ホラー的ボリシェヴィキ!


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ホラー映画好きが勝手に集まり、話すコンパ。コンパといっても男女、独身・既婚問わずの、要は好きな映画のことを話せる相手を見つけるための会なので、そのへん、お気軽に参加してくださいね(男ばっかだったりしたらゴメンね)。
今回は『霊的ボリシェヴィキ』などで盛り上がった後を予定しております。ホラーな夏の前にみんなで好きなホラー映画を語りましょう。

日時:6/17(日)18:00~20:00
入場料:800円(ドリンク+簡単なおつまみをこちらで用意)差し入れ歓迎!!
定員:10名程度
締め切り:6/10(日) ※ただし定員に達したらその時点で締め切り。達しなかった場合、当日参加も可。
ご予約はこちら


内容:自分のオススメソフトとかパンフなどを持って来れる人は持ってきてもらい、その場で貸し借りしたり、見せ合ったり。詳細はこのページにて更新していきます。

掲載情報/映画ナタリー センターライン

映画ナタリーさまで映画『センターライン』名古屋凱旋上映会をご紹介いただきました。全国区で取り上げていただき、ありがたいです。紹介記事はこちら。連日舞台挨拶もあります。残席わずかの回もあるので、ご予約がおすすめです。学生料金もあります。詳細はこちら

6/9(土)~ 磯部鉄平監督特集上映

磯部鉄平監督特集上映
磯部鉄平監督とはシアターカフェでは5周年記念大開放祭で出会い、今やたくさんの映画祭で名前を見かけるようになりましたね。編集や撮影、助監督でかかわった作品も数知れず、多作です!今回は2016年以降に撮影した短編4本と新作短編を上映いたします。

上映スケジュール 
6/9(土) 17:00A/19:00B ※磯部鉄平監督、GONさん(『ユニバーサル・グラビテーション』『真夜中モラトリアム』出演)来場予定
6/10(日) 17:00B/19:00A ※磯部鉄平監督、南羽真里さん(『海へ行くつもりじゃなかった』『予定は未定』『ユニバーサル・グラビテーション』『真夜中モラトリアム』出演)
永井和男さん(『予定は未定』『オーバーナイトウォーク』脚本、『真夜中モラトリアム』出演)来場予定


料金 1プロ1000円(2プロで1800円 同日に限る)

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Aプロ(3作品65分)
『海へ行くつもりじゃなかった』(2016年30分)
監督・脚本・編集:磯部鉄平 出演:時光陸、川岸里菜、南羽真里、上西雄大、桐山篤、岩本守弘、福田善晴 製作:belly roll film

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元カノの結婚式から逃げ出した麻来はやけ酒を煽り、夜の街でリナと出会う。
翌日2人は再会。海へ行くことになる。
・第12回札幌国際短編映画祭 Japan Panoramaプログラム 入選
・おおぶショートフィルムフェスティバル 最優秀作品賞
・第19回長岡インディーズムービーコンペティション 監督賞、座C!nema賞
・第3回賢島映画祭 主演男優賞(時光 陸)
・第9回映像グランプリ 若獅子賞
・第1回純喫茶キネマ座映画祭 観客賞
・第15回中之島映画祭 入選
・福井駅前短編映画祭2017 入選
・第4回新人監督映画祭 入選
・21st CHOFU SHORT FLIM COMPETITION 入選

『ユニバーサル・グラビテーション』(2016年/8分)
監督:磯部鉄平 出演:GON、松本真依、南羽真里、白井宏幸、河口仁 製作:belly roll film

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河川敷でBBQをしている男女5人。日が落ちて彼らの向かう先とは。
・48HFP OSAKA2016 編集賞、ビジュアルデザイン賞
・第10回O!!iDO短編映画祭 監督賞
・第7回ポレポレ映画祭 サンシャイン賞
・第5回OKAYAMAショートムービー祭 フラスコ賞
・海老名ジ・インディーズ映画祭2017 入選
・第3回立川名画座通り映画祭 入選

『予定は未定』(2018年/27分)
監督・編集:磯部鉄平 出演:屋敷紘子、辰寿広美、南羽真里、時光陸、白井宏幸、土佐和成、山中アラタほか 製作:RECIPRO/belly roll film

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40歳を前にして独身の純子はお節介な叔母からお見合いを勧められるがピンとこない。
そんな彼女の元にある日、1枚の紙飛行機が飛んでくる。開いてみると男性の欄だけが埋められた婚姻届だった。
・第13回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門 入選
・第5回岩槻映画祭 短編部門 入選

Bプロ(3作品約73分)
ハロルドMV「Grapefruit」(2015年/5分)
監督・編集:磯部鉄平 出演:カレン、ハロルド

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『真夜中モラトリアム』(2017年/23分)
監督・編集:磯部鉄平 出演:南羽真里、GON、時光陸、西川莉子、永井和男、岩本守弘、松本真依 製作:belly roll film

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高校の仲良しグループだった5人はリーダー的存在だった松元麻衣子の葬式帰りにささやかなお別れ会をする。久しぶりの再会に話も弾むが…
・Kisssh-Kissssssh映画祭2017 短編部門 グランプリ
・第10回O!!iDO短編映画祭 監督賞
・うえだ城下町映画祭 第15回自主制作映画コンテスト 入選
・第9回映像グランプリ 入選
・夜空と交差する森の映画祭2017 上映
・第11回田辺・弁慶映画祭 上映

『オーバーナイトウォーク』(2018年/43分)
監督・脚本・編集:磯部鉄平 出演:高田怜子、屋敷紘子、安楽涼、細川博司、佐々木仁、竹田哲朗ほか 製作:belly roll film

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さくらは27歳の売れない女優。ヌードのオファーを受けるかどうか悩んでいた。そんな時、さくらの姉百合子がいきなり東京に訪ねてくる。故郷を捨てた妹と故郷を離れなかった姉。姉妹2人きりの下北沢から新宿まで夜中の散歩がはじまった。

磯部鉄平監督プロフィール
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ビジュアルアーツ専門学校大阪卒業。
小谷忠典監督のドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品』(2015)に海外撮影スタッフとして参加。帰国後は映像フリーランスとして企業VP、MVのディレクターや、インディーズ映画のスタッフとして活動する。
2016年から自主映画製作を再開。国内の映画祭に多数入選、受賞する。
2019年に長編作品『かば-西成を生きた教師と生徒ら-』がクランクイン予定。
公式サイトはこちら



掲載情報/映画ナタリー 小田学監督特集

映画ナタリーさまで『サイモン&タダタカシ』公開記念 小田学監督特集上映をご紹介いただきました。全国区で取り上げていただき、ありがたいです。紹介記事はこちら。小田監督と出演者の舞台挨拶も予定しております。詳細決まりましたら告知いたしますので、お楽しみに。ご予約も受け付けております。詳細はこちら

掲載情報/中日新聞さん センターライン

4/6付け中日新聞夕刊で映画『センターライン』名古屋凱旋上映会をご紹介いただきました。ありがとうございました。4/13(金)19:30と15(日)18:00の回が残席少なくなってきました。他の回は余裕がありますので、どうぞお越しくださいませ。学生料金も新設!お気軽にどうぞ。詳細はこちら

4/16(月)の営業時間:19-21時

4/16(月)の営業時間は、都合により19-21時になります。よろしくお願い致します。

5月のマンスリースケジュールのおしらせ

6周年を迎えたシアターカフェです。これもいつもお越しいただいたり、ご支援していただいている皆様のおかげです!ありがとうございます!5月もがんばっていきますので、どうぞお越しくださいませ。
4(金祝) ~ 〈展示イベント〉283 illust exhibition「日常とポップ~名古屋編~」
鹿児島から283さん個展がやってきます。「XXXたくさんのキス」でシアターカフェ賞を受賞し、今回の個展の運びとなりました。283さんの「日常とポップ」を、あなたにも見てほしいです。
12(土) 小説家デビュー記念 内田裕基監督作品特集上映
4/2発売『ぼくの初恋は透明になって消えた。』で小説家デビューした内田裕基監督作品の上映会を開催。トークとサイン会もあるし、小説割りもあるので、お近くの書店などでご購入後、お越しくださいませ!
19(土) 第8回うんこ映画祭+特殊似顔絵
恒例となったうんこ映画祭と駕籠真太郎先生による特殊似顔絵も開催。上映作品はただいま募集中です。4/22までなので、よかったらご応募ください。

ほかスケジュールが空いている日時はレンタルも募集しております。3時間6000円と利用しやすいお値段ですので、ぜひ。
最新のスケジュール等はサイトのカレンダーをご覧くださいませ。

5/12(土) 小説家デビュー記念 内田裕基監督作品特集上映

小説家デビュー記念 内田裕基監督作品特集上映
4/2発売『ぼくの初恋は透明になって消えた。』で小説家デビューした内田裕基監督作品の上映会を開催いたします。上映後トークとサイン会を開催予定。当日著書の販売はありません。小説割りもあるので、ぜひ著書をもってお越しください。

日時:5/12(土) 15:00/18:00 
料金:1100円 
※小説割りあり 『ぼくの初恋は透明になって消えた。』ご持参の方は100円引き
ご予約はこちら


上映作品(4作品88分)
『好き。』(2013年/10分)出演:小池ありさ 笠原時生

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少年は高校の屋上でギターを弾きながら、教室でいつも一人佇んでいる少女の事が気になっていた。それから数年が経ち、教師になった少年は教室で再び少女を見つける……。音楽のような短編映画。
・東京工芸大学制作のオムニバス映画『シフガフ』の一篇として新宿バルト9ほか全国上映

『一滴のスパイス』(2013年/6分)出演:毛利悟巳 朝妻徹
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匂いフェチの図書委員の少年は、本の間からスパイスのような薫りのする栞を見つける。その栞の持ち主が誰なのか気になるのだが……。奇妙なかたちのボーイミーツガールな短編映画。
・第3回インディーズ映画祭inちっご上映
・第6回よなご映像フェスティバル上映
・第2回MKE映画祭上映

『オールドフレンド』(2014年/68分)出演:椎名琴音 秋月三佳 小池ありさ 毛利悟巳 島崎義久 ほか
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虐められっ子のひなこ、その親友のみかこ、虐めっこのゆずき、そして転校生のひなこ。四人の少女が織りなす「友達」をテーマにした物語。卒業制作で初の長編作品。
・第26回東京学生映画祭・入選上映
・カナザワ映画祭2014 期待の新人プログラム上映
予告編はこちら

『オセロ』(2018年/4分)出演:若杉凩 三品優里子 山上暁之進
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文化祭。コスプレ喫茶の為に空き教室で男子生徒のさくらにメイクをする女子生徒・たまき。そこに絡んでくるクラスメイトのやまと。さくらは密かに恋心を募らせていて……。

内田裕基監督プロフィール
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脚本家。1991年生まれ。
高校時代に映画甲子園へ投稿する自主映画を作ったことから映像制作を始める。
大学時代に多くの映画祭に入選した後、23歳で『ウルトラマンX』の脚本を書きテレビドラマ初執筆。その後、『ウルトラマンオーブ』アニメ『ゲーマーズ!』の脚本を担当し、今春にオリジナル小説『ぼくの初恋は透明になって消えた。』を上梓する。
公式サイトはこちら


ネタバレ感想 『さよならの朝に約束の花をかざろう』 

本作は、脚本家・岡田磨里による初監督・劇場版アニメ作品である。彼女が、長年温めてきた物語の、満を持しての作品化だ。制作は『凪のあすから』のP.A.WORKS。繊細で丁寧なストーリーとキャラクター、美しい映像によって、ファンタジーの世界観を借りつつ、女性の生き様を描いている。それは、家族、恋愛、友情、人の誕生や死など、多くの現代人にとって身近で大切なテーマを扱った映画となった。


筆者は、109シネマズ名古屋にて、座席が観客で2/3程度埋まった状態のなか、本作を観賞した。観客は、男女カップルや女性の友人同士、一人で来ている男女など、大人が中心だった。そして、映画の後半になるに従い、しばしば男女ともに、観客たちのすすり泣きが聴こえてきた。
この作品は素直に視聴すると、相互扶助を経験しながら、自立していく女性の物語のようにもみえる。しかし筆者は、通奏低音のように本作に流れる別のテーマも感じた。本稿では、主に以下の二つの側面に注目し、『さよ朝』について考えたい。一つ目は「非血縁の連帯」、二つ目は「透明化された欲望」である。


最初に、一つ目の「非血縁の連帯」について考えよう。この作品では、血縁でない者同士の相互扶助が描かれる。まず15歳の少女マキアは、赤ん坊の男児エリアルを拾い育てる。そんな彼女を見守り、住処や仕事など居場所を与えるのは、シングルマザーのミドだ。物語の後半に、マキアはエリアルの妻ディタの出産を手伝う。このように、彼女たちは赤の他人の出産や育児に関わる。
主人公のマキアは、キリストを処女懐胎したマリアのように、性交無く、さらには自分のお腹を痛めずにエリアルという子を得る。そして、多くの新米ママのように、思い通りに行かず、わからないことだらけの初めての子育てに戸惑い悩む。時には疲れ泣き怒るが、自分からエリアルの手を離すことはしない。若いシングルマザー同様のマキアは、ミドたちに助けられながら、仕事と子育てを両立して生きていく。


また、コミュニケーションが取れる年齢になったエリアルは、マキアを励ます。相手の脇腹をくすぐって笑わせ、気持ちをなごませる行為は、マキアがエリアルに教えたものだ。それを今度は、幼いエリアルがマキアを元気づけるために行う。
そしてエリアルの妻ディタが出産する際に、マキアは、義理の娘ともいえる彼女の出産を、母親のようにかいがいしく手助ける。出産未経験の彼女は、この時もやはり戸惑いながら必死に努める。


このように、血縁ではない者同士がお互いを助け合う。赤の他人同士で疑似家族のように助け合うことや、一緒に暮らすスタイルは、近年見られる、住人同士のマッチングを行う異世代間シェアハウスのようでもある。これは、血縁や地縁が失われた現代社会における新しい地縁の姿とも言える。また70年代のウーマンリブにおける、女性コミュニティでの自宅出産活動も彷彿とさせる。
非血縁の疑似家族がモチーフとなっているアニメ作品は、例えばテレビシリーズの『交響詩篇エウレカセブン』を思い出す。チームのゲッコーステイトも疑似家族的だし、主人公のレントンやエウレカと、年下の子供たちは、終盤で疑似親子関係を形成する。しかし『さよ朝』では、もっと具体的で実際的な親子関係のエピソードがいくつも描かれている。それは鑑賞者のキャラクターへの共感や自己同一化をより喚起させる。


次に、二つ目の「透明化された欲望」について考えたい。この透明化された欲望とは何だろうか。筆者は、「ムスコン(息子コンプレックス)」「マザコン(マザーコンプレックス)」「若さと美への執着」の三つを挙げたい。これに沿ってストーリーとキャラクターの関係性を見ていこう。
マキアはイオフルの民という一族だ。彼らは10代半ばで老化が止まり、寿命が数百年という設定である。若く美しいまま、人間よりもかなり長い年月を生きる。そのような彼女が人間のエリアルを拾い育てた。彼が長じるに従い、二人の外見的年齢は重なり、いつしかエリアルがマキアを追い越す。その過程でマキアの呼称は「お母さん」から呼称なしの状態へと変化する。思春期男子の反抗期+母親への愛が、母親には見えない若く美しいマキアへの恋心に重なる。二人は、お互いを唯一無二の大切な存在と認めながらも別離する。
そして年老いたエリアルの最期、変わらぬ姿のマキアは再び彼の前に現れ、その死を看取る。それまで自己抑制的だったマキアが初めて、エリアルの死を悼んで叫ぶように大声で泣く。


エリアルのマキアへの恋とも愛ともつかぬ気持ちは、マザコンのそれと重なる。マキアのエリアルへの気持ちも同様に、息子コンプレックスの様相を呈している。それは、青年になったラング(ミドの息子)に求愛された際、エリアルのことだけ考えて生きてきたから、それ以外の誰かについて考えられない、といったセリフにも表れている。
疑似親子である二人は、血縁の親を知らない。そして疑似親子恋愛を通過しつつも、交わることはない。疑似インセストタブーは犯さず、プラトニックな無償の愛、与える愛を貫き通す。このことを通じ、息子を愛する母親/若い男性を愛する自分、母親を愛する息子/年上の若々しく美しい女性を愛する青年、美しく若々しい女性/自分という三つの欲望が浮かんでくる。先の二つを美化し、清潔感を保ち、社会的規範を守ったまま成立させるのが、非血縁の疑似的親子関係である。これを血縁関係で描くと、近親相姦となり社会規範を破ることになる。だから、それを犯さずに美しく哀しい物語として描くためには、血縁でないという設定は欠かせないだろう。二人が恋愛・夫婦的パートナーにはならないということも重要である。また長寿の一族というファンタジー設定も、三つめの若々しく美しくありたい欲望の美化だけではなく、人間とノンヒューマンの時間差による哀しさを生む装置として欠かせない。


三つの欲望をこのように美化することで、本作品は社会規範を破りかねないもの、逸脱させるだろうものを透明化し、観客に素直に受け入れさせる。このことにより、永遠の美や若さへの執着、ムスコン、マザコンという、社会規範を破るものや、人間社会から逸脱するだろう要素への欲望を肯定し、それらを観客の内側へ内面化し、あるいはすでに内面化されているものを強化する可能性がある。


筆者はこの作品を観て、好悪両方の感想を持った。


映像は美しく、文脈に関係なく情動を喚起するシーンも複数折り込まれていた。例えば、運河の縁で幼いエリアルがマキアを励ますため、どんとこい的に自分のお腹を手で叩くシーンの腕のしなる予備動作の丁寧な作画。または、大人になった兵士エリアルが敵兵と戦い血しぶきが飛ぶ瞬間と、ディタの出産の瞬間の交錯する絶妙な編集。そして、エリアルの死を悼んで青空の下一人きりで声を上げて泣くマキアのシーンなどだ。観賞者によって、他にも印象的な映像シーンがいくつもあるだろう。
こうした映像的な刺激は、ストーリーとは別にあるいは相乗効果として、作品への好感を押し上げる。先に挙げた「非血縁の連帯」と共に、ポジティブな観賞体験に一役買っている。
同時に、「欲望の美化」も強く感じ取ったため、同席した観客の嗚咽が増えれば増えるほど、不愉快な気持ちになった。


映像視聴は、観賞後にいろいろなことを考えさせられたり、感情を喚起させられる作品の方が、個人的嗜好とは別に、良作だと筆者は考えている。それを踏まえると、本作は良い作品だったのかもしれない。


最後に、『さよ朝』には岡田磨里が脚本家として関わった他の作品と共通する要素がいくつかあった。まずは、ファンタジー要素として、人間と異種族の交流と台頭を置いている。これは『ゴシック』にもみられる、この世から消えゆく者たちの声の記述でもある。少数民族でエルフのようでもあるマキアは、物語を通じて、血肉を備えた存在として現れる。
二つ目は、時間差が生む愛着と哀しみだ。これは、『凪のあすから』の中盤にも使われていたギミックだ。個々人の時間の流れの差が生む哀しみを、最大限に引き出すのに効果的である。こうした時間差の仕掛は、児童文学の『トムは真夜中の庭で』など、古今東西さまざまな形で用いられている。